この「バランスの良さ」がどこから来ているのか、仕組みを見てみましょう。
あなたの体には「ホメオスタシス」という機能があります。日本語では「恒常性(こうじょうせい)」と呼ばれ、体温や血糖値、ホルモンの量などを一定の範囲に保つ自動調整システムのことです。人間なら誰でも持っていますが、あなたはこのシステムが特に精度よく働いています。
面白いのは、この体の安定が精神の安定にも直結していることです。自律神経には「アクセル」(交感神経)と「ブレーキ」(副交感神経)がありますが、あなたはこの切り替えが滑らかです。多くの人がアクセル寄りかブレーキ寄りに偏る中、あなたは状況に応じて自然に切り替わる。だから会議で激論が交わされても、あなただけが冷静に全体を俯瞰(ふかん)できるのです。
「AかBか」の二択に対して「C」を見つけ出せる力にも、脳の仕組みが関わっています。心理学では「認知的柔軟性」と呼ばれるこの能力は、前頭前野(おでこの裏にある脳の司令塔)の働きに依存しています。あなたの前頭前野は、複数の視点を同時に「開いておく」ことが得意です。一つの正解に飛びつかず、選択肢を並べたまま比較検討できる。これは優柔不断ではなく、脳が高い処理能力を持っている証拠です。