この仕組みをもう少し詳しく見てみましょう。あなたの五感が「高解像度」である背景には、「5-HTTLPR(ごエイチティティエルピーアール)」という遺伝子が関わっています。この遺伝子は、セロトニン(安心感をつくる脳内物質)の運び方を決めています。あなたのタイプでは、セロトニンの回収がゆっくりで、結果として脳が外部の刺激を深く、丁寧に処理します。
心理学ではこの特性を「HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)」と呼びます。人口の15〜20%が持つ特性で、「感覚処理感受性」と訳されます。大切なのは、これは病気でも障害でもなく、脳の「処理モード」の違いだということです。同じ映画を観ても、あなたの脳は色彩、音楽、役者の微細な表情まで深く処理します。だから映画の後にぐったりするのは「弱い」からではなく、「処理量が多い」からです。
この深い処理モードは、「デフォルトモードネットワーク(DMN)」という脳内ネットワークの活性化とも関係しています。DMNはぼんやりしているときや一人の時間に活発になるネットワークで、記憶の統合や創造的なひらめきを生み出します。あなたが静かな環境で最も創造的になるのは、DMNが邪魔されずに働けるからなのです。